Mac・Numbersを用いた成績評価

使っている主要PCをすべてMacにしたこともあり、エクセルからNumbersに乗り換えて、大学の成績を付けるようになった。

今年は、100人超え科目があり、成績度数分布を作ったり、59点未満をDと割り振ったり、便利な関数はないのかと探していると、MacかつNumbersでそうしたブログ記事を挙げている人が非常に少ない。ここでは、海外のサイトを参考にしたりしながら、分かったことを、手順としてメモしておく。

もっと便利なやり方があれば、教えて下さい。
Numbers 6.1MacOS Mojava 10.14.5)

 

今回は、成績をABC評価に機械的に切り替える作業について。

例えば、57点をFなどとアルファベット評価に変換したい。目視で書き換えていくと非常にしんどいし、ミスも生じやすい。そこで関数を使ってなんとかしたい、というのが発端。

 

①成績が書かれた表を用意する。今回は、0点は採点不能で「X」、1-59点は「F」、60-69点は「C」、70-79点は「B」、80点-100点は「A」という評価に変換することにする。

②一番最後の列の「後ろに新しい列を追加」。

③新しい列の一番上のセル(今回はC2)を選択し、「新規数式」を挿入。「if」と書いて、エンターを押すと、「IF(条件式,真の場合,偽の場合)」のように表示される。

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④「条件式」を選択し、標本をドラッグして選択。上図では、B2〜B14の範囲。選択すると、プルダウンメニューが表示されるので、「行を保持」「列を保持」をすべて選択。そうすると、「条件式」のところが「$B$2:$B$14」と表示される。

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⑤「$B$2:$B$14」となっている直後に、条件を指定していく。要領としては、標本範囲に数値条件をつけてやればいい。例えば、0点はXと変換したいなら、

「標本範囲」=0,"X"

のように書く。そうすれば「IF($B$2:$B$14=0,"X",真の場合,偽の場合)」のように表示される。

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⑥この条件式に、さらにif関数を使って条件を付け加えていく。数式バーの"X"と書かれている直後に、再びif関数を付け加える(「if」と書く)。そして再度、1-59点、60-69点、70-79点、80-100点について、④と⑤の手順を繰り返す。0点についてはXを指定したので、1-59点の場合であれば、

「標本範囲」<60, "F"

のように書く。

⑦最終的に、下の数式になるように、後ろに残っている「偽の場合」をすべて削除。

IF($B$2:$B$14=0,"X",IF($B$2:$B$14<60, "F",IF($B$2:$B$14<70, "C", IF($B$2:$B$14<80, "B",IF($B$2:$B$14<101,"A")))))

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⑧数式バーのチェックマークをクリックすれば、C2がFと変換されているはず。C2のセルを選択し、下辺真ん中に出ている黄色い丸をクリックし、C14までドラッグしていけば、順次成績が表示されるようになる。

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Mac・Numbersでつくる度数分布表

使っている主要PCをすべてMacにしたこともあり、エクセルからNumbersに乗り換えて、大学の成績を付けるようになった。

今年は、100人超え科目があり、成績度数分布を作ったり、59点未満をDと割り振ったり、便利な関数はないのかと探していると、MacかつNumbersでそうしたブログ記事を挙げている人が非常に少ない。ここでは、海外のサイトを参考にしたりしながら、分かったことを、手順としてメモしておく。

もっと便利なやり方があれば、教えて下さい。
(Numbers 6.1、MacOS Mojava 10.14.5)

 

この記事では、度数分布表のつくりかたをメモ。 

①成績が書かれた表を作成する。

②度数の範囲の一番大きい数だけを書いた列を作成する(下図のD列)。例えば、10点〜19点の範囲の個数を調べたければ、19と書く。

③index関数を使用するため、各度数に対応するよう、1から順に番号をふる(下図のE列)。

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④度数分布表を関数を使って作成するため、F列をあらたに追加する。

⑤一番上の列(下図のF2)を選択し、「新規数式」を作成。

⑥数式バーが出たら、「index」と書き、エンター。そのまま、「frequency」と書き、エンター。

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⑦「数値範囲」とは、標本のことを指す。今回は、B2〜B14に標本がある。数式バーの「数値範囲」を選択し、B2〜B14をドラッグして選択。さらに、数式バーの「数値範囲」にプルダウンメニューが表示される(▽マーク)ので、クリックし、「行を保持」「列を保持」をすべて選択。

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⑧「期間」とは、度数のことを指す。今回は、D1〜D12。「期間」を選択し、D1〜D12をドラッグして選択。⑦と同様に、「期間」に表示されているプルダウンメニューから、「行を保持」「列を保持」をすべて選択。

⑨「行位置」とは、indexの番号を指す。今回は、E1〜E12。「行位置」を選択し、E1〜E12をドラッグして選択。⑦と同様に、プルダウンメニューから「行を保持」「列を保持」をすべて選択。

⑩数式バーのチェックマークをクリックすると、F2に0点の数(1)が表示される。

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⑪F2を選択し、セル下辺の真ん中に表示されている黄色い丸をクリックし、F12までドラッグしていけば、順次、個数が表示されていく。

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4-26

25

風邪。1限、100人の講義。160人登録しているので、減ってくれたほうが嬉しい。授業アンケートには比較的好意的なことが書いてあるが、本心なのかどうか。訝しい。風邪のせいか。4限は3年ゼミ。レジュメをもっとしっかり作ってきてくれるかと思ったら、存外な結果に。こちらの指示の仕方が悪い。ということで、じっくりサンデル大先生を読むことに。サンデル読んで楽しいかね、と思ってしまうところもあり、ややテンションが下がる。が、生徒には新鮮な様子。そりゃそうか。

 

26

GW前最後の授業(本務校)。昨日からの風邪で調子が上がらず、予定していたところまで進めなかった。大教室の割に、人がそんなにいないので、そちらもあまり調子が上がらない要因である。もっとこじんまりしたところで、色々学生の声を聞きながら授業がしたい。のあと、GW開け入門演習の準備。まだ学生のポテンシャルがどんなもんなのか測りかねている。

 

 

3-26

24

kt先生の科研費イベント最終日。二日前は、Maliksさんとuさんと立川で夕飯。一昨日は、uさんのお付き合いで、海外研究者のエクスカーションに同行。英語を久々にしゃべるので、ほとんどしゃべれないのだが、喋ろうとする意志はあるということだけは見せておいた。昨日は科研費イベント一日目、マリクスさんの発表だけ聞く。カントの革命観、とくに憲法制定国民議会と国王処刑について。質問するチャンスを逃したが、working dinnerの方でコメントを。なんというか、俺も英語で書く意味があるのではないかという感じを受ける発表だった(婉曲表現)。

さて、今日の目玉はPeter Niesenの報告。カントの世界市民法の規範には二つの(異なる、融和しない)源泉があり、例えばそこから移民・難民の権利といった現代的な問題への洞察をフルに引き出すのは難しいのではないか、というもの。私もそう思う。二つの異なる源泉というのは、一つは土地の根源的共有というアイデアで、もう一つは(現代の言葉で言えば)人類の共通遺産(グロティウスにおける自由海論)というアイデア。カントの世界市民法のなかには、前者から「どこかに存在する権利(right to be somewhere)」が、後者から「コミュニケーションの権利」が引き出されている。ニーゼンが言うように、カントの世界市民法によっては、滞在権と定住権のあいだのギャップは架橋不可能なままだろう。私が質問したのは、カントがよく口にする、世界の限定性、つまり地球が球体であり、地表は無限ではないということが、人々の間に普遍的かつ潜在的な法的関係性をうちたてるという議論が、どこに効いてくるのかということだった。ニーゼンいわく、そちらの論拠は、土地の根源的共有ではなく、人類の共通遺産の方につながっているとのこと。本当かなという気もしないではない。

某学部二年生も殊勝なことに参加しており、現代移民正義関連で質問していた。質問内容はおじさんには難しくてさっぱりわからんかったけど、偉い。俺が二年生の頃は小説を読んでいるか麻雀をしているか愛に耽っているだけであった。

のあと、懇親会。のあと、なんと欧米のカンティアンと立川でカラオケ。やけにハイテンションな皆さんに付き合って、楽しかったのだが、異常に疲れた。先輩のsさんもイタリア帰りで直行して研究会に参加しており、普通に英語も話されていてすげえ。本の計画も順調のようで、嬉しい。

ずっと英語なのも、慣れればあれなのだが、やはりニュアンスに富んだことを言われるとよく分からんし、頭で英作文して喋るということをしなくてはならず、ちょっとつらい。こういうイベントが年に一回くらいあるたびに、英会話やろう、ドイツ語やろうと思うのだが、そのたびに色んなことを言い訳にして逃げてきた。毎日一時間でも継続してやれば違うということも分かっているのにな。悲しい。しかし、KさんもHさんも(女性陣二人)PさんもMさんも無茶苦茶いい人で、それに救われる。Pさんのカラオケ代をおごった代わりに、ハンブルグに行ったときはよろしくね、的な。

 

25

フォルストの講演会が明治であり、かつ、前から楽しみにしていたのだが、一昨日までの反動で一切気力が出ず、スルーしてしまう。ファイアーエムブレムずっと夢中。ロバートソンの啓蒙本読了。ざっくりした、まさにvery short introduction。近年の啓蒙思想史研究の紹介が嬉しい。イタリア、というかナポリ啓蒙についての情報が多いのも面白い。英語圏の研究者にしては、ドイツ啓蒙についてもよく頑張ったほうだと思う。

某さんの添削がてら、新しい職場の一年生向け、What is 'argument'的な資料をつくったり、はたまた授業準備したり。5月一周目くらいまではストックができた。

 

26

フォルストの弟子とtbtさんらが報告する研究会がwsdであったのだが、華麗にスルーを決めてしまう。行くって言ってたのに申し訳ない。が、メンタルヘルス的に誰にもあいたくなかった。家の掃除を少しだけした。Ulyssesの導入を検討してみたり。

新しい職場から雇用契約書が送られてこないが、研究室の引き渡し可能との連絡は来る。近くの中華でほうれん草チャーハンと餃子5個。

新しい本のためのプロジェクト計画を立てようとしているところだ。

 

Niesenさんの博論。『カントの言論の自由の理論』。言論の自由を核にカントの政治理論を再構築するもので、多分博論かな。 

Kants Theorie der Redefreiheit

Kants Theorie der Redefreiheit

 

こちらはOliver Eberlとの共同編纂の『永遠平和のために』コメンタリー&入門書。『法論』のなかの国際政治関係のものも収録されている。歴史的なコメンタリーもさることながら、おそらくニーゼンさんの主導による解説も、非常に素晴らしい。特に、(今回の報告でも触れていたが)国法・国際法世界市民法の3つのレベルのそれぞれに、暫定的レベルと確定的レベルを区別して捉えているとしているところが、大変啓発された。

Zum ewigen Frieden

Zum ewigen Frieden

 

こちらはマリクスさんの博論。カントをプロイセンのコンテクストに位置づける研究。私の本はこの線でもっとカントと他の論者の論争状況を仮定して読解しており、またもっと哲学的なアプローチに傾斜しているところもあり、また厳密なコンテクストというよりも学説史、自然法学説史に注目しているところなどが違う。

Kant's Politics in Context

Kant's Politics in Context

 

 

3-13

いつの間にか3月。この間、2/18に北大でフィヒテについて発表し、3/4はポリツァイ学について発表した。久しぶりに研究した感があるので、なんとか論文までこぎつけたいが、継続してやらないと熱意が薄れていくだろう。授業準備もしないといけない事に気づき、悲しい。

 

12

駒場でmゼミ補講に顔を出す。後輩の某学会への紹介者としてサインするためもあったが、二人の院生の発表はとても面白かった。最近はmゼミも女性陣がいるようになり、テンションが高めで楽しい。先生も結構軽口を言ってくれる感じがする。すっかり優しいおじちゃんになっている感があり、俺の頃はしばしば怖かったなあと回顧する。院生室にも久しぶりに顔を出すと、ホワイトボードが置かれていて、いい感じのワークスペースになっていた。sbtくんとskiくんが黙々と研究していた。がんばるんだ。

 

13

某教え子が某大学に合格したとのことで、お祝いに池袋のトゥッカーノ。肉はもうあんまりよー食べられへんな。しんどい。新一年生はいろいろと希望に満ちていて、キラキラしていた。すばらしい。おじさんも元気をもらった。

来週くる北欧のカント研究者とメールのやり取り。ありがたいことに、四年前に唐突に出したメールのことを覚えてくれていた。英語メールのやり取りなんてすごく久しぶりだし、なかなか表現が出てこない。来週は英語でコミュニケーションしないといけないので、リスニングとかやり始めているが、付け焼き刃でしかない。語学が致命的にできないのはすごくコンプレックスなのに、サボりぐせもあってよくない。シャドーイングでもし始めるとまだましになるか。来週がちょっと不安。 

閉じられた国家とその敵

2-14

入試監督最終日。みんなフラフラ。

 

2-15

相変わらずフィヒテ読んでる。ブロッコリーやら菜の花などを茹でた。母親からバレンタインが送られてくる。この前まで泊まりに来てたrからもバレンタインが送られてくる。ベトナムのチョコ。甘いものがいっぱいある。危険。

 

2-16

大学院入試の監督。ちゅかれた。フィヒテ読んでたら息詰まりそうになった。あとは期末試験の追試監督が残っている。

 

2-17 

明日から北海道大学にお呼ばれして研究報告をするのだが、フィヒテ『閉鎖商業国家』をカントの『永遠平和のために』のパロディとして読むという感じのことをやろうと思っていて、ここ一週間くらいフィヒテを頑張って読んでいたのだが、今から見れば(少なくとも私には)ディストピア感のある閉鎖商業国家も、フィヒテユートピア的なものとして描いていて、それはそれなりに興味深くはあるのだが、なにせ自然的国境まで領土拡張して自給自足できなきゃ国家は閉鎖できないというあたり、やっぱ無理ってなる。そこだけ見たら、単にフランス革命派のイデオローグでしかないような気もする。おそらくフィヒテはスミスをガルヴェ訳で読んでいて、結構経済について考えているので、そのへんの継受関係も調べれば面白いだろう。ある意味で、フィヒテは市場の秩序を一切信頼しようとしない、ということはその背景にある自然神学的秩序観に一切頼らないということである。カントの『永遠平和』が1795年で、『閉鎖商業国家』が1800年なので、5年の間にかなり政治的言語が変わってしまったという印象を受ける。これはフィヒテだけのものなのかどうなのかはよく見てみないといけないけれども。「事行Tathandlung」という謎めいた発想を経由しなくて読めるのでおすすめですが、おそらく人類で今『閉鎖商業国家』を読んでいるのは俺だけなのではないかというよくわからない使命感をもって読んだ。 

フィヒテ全集 第16巻 閉鎖商業国家・国家論講義

フィヒテ全集 第16巻 閉鎖商業国家・国家論講義

 

 

 

ベルイマン、フィヒテ、ポリツァイ、雪

2.9

友だちに誘われて、久しぶりに新文芸坐ベルイマン『ファニーとアレクサンデル』、5時間…。絶対間違いなく寝るやろと思ってたら、寝たのは第一部の5分くらいで、その後はずっと食い入るように見てしまった。オカルト家族群像劇。緊張感のあるストーリーと文芸的長舌が面白い。どっかのレビューに、要するに『渡鬼』だという事が書かれていたが、まさにオカルト要素を入れた『渡鬼』である。外は雪。近くの居酒屋で飲み、帰宅。

 

2.10

Thomas Simon, Gute Policey: Ordnungsleitbilder und Zielvorstellungen politischen handelns in der Frühen Neuzeitを流し読みフィヒテを読み終えた。閉鎖商業国家をつくるためには、「自然的国境」をもたねばならず、場合によっては現在ある国境を超え、国境が「自然的国境」になるよう、他国を併合する必要があると説かれる。ドイツでは綿花の収穫は難しいが、別の植物を品種改良したりすればなんとかなるはずという、技術革新頼みな部分もあり、おおよそ同時代人も同意しかねたらしいのだが、フィヒテは大真面目なのである。フィヒテ、よく分からん。

 

2.11

T. Simon, Gute Policeyをようやく通読。18世紀半ばの官房学、主にユスティで話が終わっていて、ナラティブらしきナラティブもないのだが、よくいっぱい調べましたという意味では勉強になった。ブルンナー「「全き家」と旧ヨーロッパの「家政学」」も読み直したり。神学的オイコノミアについてもほんの少し触れられているのに気づく。

カント関係で気になることがあって調べていたら、『永遠平和のために』冒頭の、皮肉はライプニッツに由来する可能性があるということがわかった。オランダの宿屋の看板には、墓地の絵とともに「永遠平和のためにZum ewigen Frieden」と書かれてある、という皮肉である。ライプニッツCodex juris gentium diplomaticusの序文に同じ話が書いてあった。ケンブリッジ版全集に注がついていたのだけれど、岩波全集には付いていない。いろいろまだまだ知らないことだらけである。

ファニーとアレクサンデル HDマスターDVD

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フィヒテ全集 第16巻 閉鎖商業国家・国家論講義

フィヒテ全集 第16巻 閉鎖商業国家・国家論講義

 
Gute Policey: Ordnungsleitbilder Und Zielvorstellungen Politischen Handelns in Der Fruhen Neuzeit (Studien zur Europaischen Rechtsgeschichte)

Gute Policey: Ordnungsleitbilder Und Zielvorstellungen Politischen Handelns in Der Fruhen Neuzeit (Studien zur Europaischen Rechtsgeschichte)

 
ヨーロッパ―その歴史と精神 (1974年)

ヨーロッパ―その歴史と精神 (1974年)